※本記事は「格安SIMの始め方5ステップ」のうち【STEP1】の詳細記事です。
格安SIMに乗り換えを考えている人は、格安SIMについて調べますよね。
調べている中で格安SIMの良い点ばかりに目がいきがちかもしれません。
しかし、勢いだけで乗り換えようとするとこんなことも…
・今のスマホを使おうとしたら格安SIMでは使えなかった
・乗り換えてみたら電話番号を引き継げていなかった
このように困ることのないよう格安SIMについての基礎知識は大切です。
この記事では、そんな格安SIMの基礎知識を初心者の人向けに解説しています。
01. 格安SIMの基礎知識
1. 格安SIMとは? そもそもSIMって何?

格安SIMとは
格安SIMは、ドコモやauなどのキャリアから通信回線を借りて、利用料を安く提供しているサービスのSIMです。
キャリアよりも大幅に安いために "格安" がついています。
格安SIMはさまざまな会社が取り扱っています。
そのため、さまざまな特徴のプランやサービスがあるのが魅力の一つです。
そもそもSIM(シム)とは
SIM(シム)は、スマホや携帯電話にセットしてあるICカードのことです。SIMカードと呼びます。
SIMカードには識別番号や電話番号が入っています。
そして、スマホ(または携帯電話)にセットすることで電話やインターネットが使えます。

住所みたいなものだね
また、SIMカードのサイズは3種類で「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」となります。
他に、3種類のサイズに調整できる「マルチカットSIM」や電子SIM(物理的にSIMそのものがない)の「eSIM」というSIMもあります。
契約時にスマホや携帯電話に差し込んだらそのままの場合が多いと思うので、あまり馴染みがない人もいると思います。
なお、SIMは自分で抜き差し可能であり、SIMを交換することで異なる会社のSIMを利用できます。
ただ、そのスマホに合うSIMを使わないといけないのですがそれは後ほど説明します。
2. 格安SIMが安いのはなぜ?

格安SIMの会社は、キャリアが保守・管理している通信回線を借ります。
そのため、キャリアへの設備レンタル料はかかりますが、通信設備の保守・管理費用を抑えられます。
また、格安SIMの会社は基本的に実店舗をあまり持たず、インターネット販売が中心です。
このようにサービスを安く提供できる仕組みを持っています。
そして、ユーザーは契約プランを選択できる幅が広く、ユーザーの用途に合わせやすいです。
どういうことかというと、格安SIMは「高速データ通信」「SMS」「通話」の3種類のサービスを軸に構成されています。
格安SIMの3種のサービス
①高速データ通信
→データ通信機能でインターネットやラインなどが使える。
→高速データ通信は通信容量があり、使い切ると低速となる。
(この通信容量がテレビCMで"ギガ"とか呼ばれているやつ)
②SMS(ショートメッセージサービス) → 電話番号でメッセージを送信できる機能。
③通話 → 通話機能。
そして、契約プランは上記3種の機能を組み合わせて作られます。
契約プランの基本
- 「高速データ通信」+「SMS」+「通話」
- 「高速データ通信」+「SMS」
- 「高速データ通信」のみ
上記プランの「高速データ通信」は、容量の多いプランにするほど料金が増えます。
また、上記プランの「1.」のようにできることが多いほど料金は増えます。
オプションをつけていくとさらに料金が増えていきます。
格安SIMを取り扱っている会社
格安SIMを取り扱っている会社をMVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼びます。
(日本語では仮想移動体通信事業者)
3. 今使っているスマホは格安SIMでも使える?

結論としては「使える場合」 と「使えない場合」 があります。
ここでは大切なポイントが3つあります。
大切な3ポイント
1. 格安SIMのWebサイトの動作確認済端末一覧でスマホの適合を確認
2. 使用するスマホのSIMカードサイズを確認
3. SIMロックがかかっているスマホ(※)はSIMロック解除が必要な場合がある
※主にキャリア購入のスマホ
ただ、利用中の回線と同じ系統の回線の格安SIMを選べば使えることが多いです。
例えばdocomoで利用中のスマホにはdocomo系の格安SIMといったようにです。
それでもやはりWebサイトでの適合確認必須です。
また、SIMロック解除はキャリアのWebサイトで手続きするか、購入店舗に持ち込んで行います。
(Webサイトだと基本的に解除料がかからないのでおすすめです。)
そして、以下のような場合は、格安SIMとスマホのセット購入がお得なのでおすすめです。
格安SIMとスマホのセット購入がおすすめのパターン
・スマホが格安SIMに適合していない
・回線を変更したい
(例えば、ドコモ系→au系)
・手持ちのスマホが古い、またはこだわらない
例えば、セット購入する場合の新規特典で、スマホや契約手数料が大幅に安くなることがあります。
さらに他社からの乗り換え(MNP)や対象オプション加入などで割引やギフト券がもらえることも多いようです。
キャンペーンの例(おすすめの格安SIM)
■OCNモバイルONE
→通話SIMとスマホのセット購入でスマホ最安1円~
→他社からの乗り換えで13,000円割引
■IIJmio
→SIMとスマホのセット購入でスマホ最安110円~
→初期費用1円(通常3,300円)
通話SIMやMNP指定、機種限定などの制約はあるものの、機種代がほぼ0円はすごいですよね。
このあたりは各社のキャンペーン開催状況で変わるため各社のWebサイトを要チェックです。
4. 格安SIMが向いているのはどんな人?

格安SIMのことを知っても「自分が格安SIMに向いているのか」よくわからないですよね。
格安SIMに向いている人を以下にまとめました。
格安SIMに向いている人
・とにかくスマホにかかるお金を安くしたい人
・そこそこ普通に使えて安い方がいい人
・電話はかけるより受ける方が多い、
またはラインで済むことが多い人
・データ通信をあまり使わない、
またはWi-Fiを使うことが多い人
・キャリアメールが不要な人
(例えばドコモなら @docomo.ne.jp )
・スマホやタブレットを複数台持ちしたい人
上記の中でも以下の人を取り上げてみます。
・とにかくスマホにかかるお金を安くしたい
・そこそこ普通に使えて安い方がいい
「とにかくスマホにかかるお金を安くしたい」という人は多い方ではないでしょうか。
そして、安くできた分、他のやりたいことにお金を使えたらハッピーですよね。
むしろ、「他のやりたいことにお金を使えたらハッピー」ということが、その人にとって大切なことなのではないでしょうか。
これは自分のやりたいことのために、スマホ代を節約する手段として格安SIMを使うということですね。
また、「そこそこ普通に使えて安い方がいい」という人も多い方ではないでしょうか。
こういった人は、「自身のスマホの使い方」と「かかるお金」とのバランスを意識されていることが多いのではと思います。
さらにこのような意識のある人は、すでに自身のスマホの使い方をわかっている場合が多そうです。
例えば…
・電話はかけるより、受ける方が多い
またはラインで済むことが多い
・スマホはほとんどWi-Fiに繋いでいる
↓↓↓
「だからその分安くしたい。」
といったようにです。
ただ、向き不向きだけでは決められないところもあるので、格安SIMのメリット・デメリットに次章で触れてみましょう。
02. 格安SIMのメリット・デメリット
格安SIMは以下のようにメリット・デメリットがあります。
メリット
1. 料金が安い(月額1,000円切る場合もある [後述] )
2. 契約期間の縛りが短い、またはない
3. 高速通信容量のプランの選択肢が多い
4. プラン変更が簡単(インターネットから可能なので実店舗のように時間やタイミングに縛られない)
デメリット
1. キャリアのような専用ショップがない
2. キャリアメール利用に月額がかかる
(使えない場合もあり)
3. キャリアより通信速度が遅い場合や遅い時間帯がある(通信速度の速い格安SIMもある)
自分にとっては格安SIMのメリット・デメリットがどれくらい影響するか分かりにくい場合もあるでしょう。
そういうときにポイントになるのが、「何を優先したいか考えること」と「自身のスマホの使い方を振り返ること」です。
それでもなかなか分かりにくく、迷う人もあるでしょう。
迷う人は、実店舗もキャリアメールもいらなし、通信速度もそこそこ使えるなら安くしたいというなら格安SIMを試してみる価値ありです。
03. 格安SIMのデメリット解消法

私もそうだったのですが、格安SIMのデメリットにどうしても不安を感じる人もいますよね。
特に初めてキャリアから乗り換えるときは不安だと思います。
そこで、デメリットの解消法を紹介します。
万人に当てはまるというわけではないのですが、少しでも不安解消の手伝いとなれば幸いです。
1. 「キャリアのような実店ショップがない」の解消法
解消法
・格安SIM専門ではないですが、取り扱い実店舗は増えてきています。
・契約などの手続き行う格安SIMのWebサイトはわかりやすくできています。
・契約すれば会員ページからプラン変更などの手続きが簡単にできます。
・Webサイトには困った時のQ&Aや相談窓口となるサポートセンターが載っています。
・サポートセンターには、メールや電話、チャットなどで問い合わせ可能です。
・Q&Aも問い合わせもわからない場合、詳しいご家族がいればご相談してみてください。
・実店舗手続きのようにわざわざ時間をとり、タイミングを合わせなくてもWebサイトから手続きができるのは実際かなり便利です。
実店舗がないため、手続きや相談はどこですれば…と心配になると思います。
格安SIMは手続きのほぼ全てをWebサイトから行いますが案外大丈夫なものです。
2. 「キャリアメール利用に月額かかる(使えない場合もある)」の解消法
解消法
私もそうでしたが、docomoなどのキャリア利用の人はここが不安ですよね。
特に格安SIMではキャリアメールが使えないというのは長年のデメリットでした。
しかし、2021年12月にキャリア3社で「キャリアメール持ち運び」が開始!
格安SIMでもキャリアメールが利用可能になりました!
ただし、こんなデメリットや注意点も…
・300円程度の月額がかかります。
・既存のキャリアユーザーが他社乗り換えや解約時に申し込み可能。
(キャリアメール単体の新規契約は不可)
・さらに各社ごとの注意点も…
また、キャリアメール以外にも無料で便利なWEBメールがあります。
乗り換えてしまえば、パソコンでもメールが使えて便利な面に気づくでしょう。

迷ったらGoogleの「Gmail」がおすすめだよ。
Androidのスマホを使ってる人はすでにGmailが使える状態だよ。
ただ、家族友人などへのメールアドレス変更の連絡手間などがかかります。
しかし、それらを乗り越えてしまえば実使用では思った以上に大丈夫なものです。
キャリアメールのみに縛られて選択肢が減ってしまうのはもったいない気がします。
もちろん、いろんな世代や状況の人が利用しているので一概には言えないのですが…。
3. 「キャリアより通信速度が遅めだったり、遅い時間帯がある」の解消法
解消法
・通信速度の速いSIMを使う。
例えば、ドコモ系ならOCNモバイルONE、au系ならUQmobileは通信速度が早いです。
・通信速度の遅くなりやすい時間帯はWi-Fiなどを利用する。
通信速度は格安SIMによって異なります。
また、通信速度の遅くなりやすい時間帯は、平日夕方 (通勤・通学)とお昼(休憩)です。
ただ、格安SIMを使ってみると、変化がわからない、または 許容範囲内 であったり、自分には爆速な通信速度でなくても大丈夫といったように感じる人もいるようです。
また、そもそも通信速度の速いSIMを使っていると気にならないかもしれません。
(私はUQmobileを使っていた時期があって通信速度も時間帯も気になりませんでした。)
以上のように、代替方法があったり、意外と自分にはそこまでの通信速度がいらないなど、メリットとデメリットのバランスが合う人はいます。
そういった人はやはり格安SIMはおすすめです。
04. 格安SIM申し込みの5つの注意点

1. 手続きは基本的に自分で行う
格安SIMの申し込み手続きは自分で行う場合が多く、そのように思っておいた方が良いです。
その理由は次の通りです。
・格安SIMの会社は専門店舗を持たない場合が多い(Webサイト主体の販売方法)
・Webサイトからの申し込みでないとキャンペーン適用とならない場合がある
ただし、申し込む格安SIMによっては専用店舗や取扱店舗(家電量販店など)があります。
その場合は店舗で案内してもらいながら手続きが可能です。
なお、取扱店舗では案内してくれる店員さんが不慣れな場合もあるかしれません。
(店員さんは専門スタッフではなく他業務がある場合が多いでしょうから。)
また、自分で手続きを行う場合、格安SIMの申し込みWebサイトはわかりやすく作られているので意外と大丈夫です。
しかし、特に初めての人は不安を感じるのは無理もありません。
事前に申し込みたい格安SIMのWebサイトで調べてみたり、サポートに相談することはできます。
2. 契約中の回線解約は格安SIMが届いて開通した後が無難
これは格安SIMが届いて開通手続きを行うまで回線が使えない期間が発生する場合があるためです。
ただし、乗り換え(MNP)の場合は、新しい格安SIMが開通すると同時に旧契約が解約となります。
しかし、なぜ到着後に開通手続きが必要になるのでしょうか。
それは、格安SIMの配送時に紛失した際、他者に勝手に使われることがないようにするためです。
申込者の手元に届いて開通、とすることで対策となっているわけです。
なお、新規でスマホセットを申し込んだ場合など一部は到着後すぐ使える場合もあります。
3. 今のスマホを使うなら動作確認済端末一覧は要チェック
動作確認済端末一覧は格安SIMのWebサイトにあります。
必ず以下の項目をチェックしておきましょう。
・今のスマホが使えるか
・SIMロック解除が必要か
・テザリングが使えるか
4. 現在契約中の回線の解約料など費用が必要な場合がある
乗り換えの場合、以下の費用が発生する場合があります。
① 現在の契約の解約金(違約金)
② 端末の残債
③ MNP転出手数料(2021年春から無料)
④ SIMロック解除手数料(Webからの手続きはほぼ無料)
一つずつ説明していきます。
① 現在の契約の解約金(違約金)
現在の契約回線に最低利用期間などの縛りがある場合、解約金(違約金)が必要です。
(2021/10/1からドコモは解約金を廃止となりました!これで2年縛りの解約金を気にする必要がなくなります。)
ただし、現在の月額と格安SIMの月額の差額次第では、解約金分はすぐに取り戻せるか場合もあります。
解約金分を何ヶ月で取り戻せるかの計算は以下のようなイメージです。
解約金分の取り戻し期間(ヶ月)= 解約金 ÷([現在の月額]−[格安SIMの月額])
例)4.0ヶ月 = 10,000円 ÷ ( 4,000円 − 1,500円 )
② 端末の残債
端末の残債がある場合は、引き続き分割で支払うか、一括で支払う必要があります。
これはどうしても避けようがないですが、忘れていると「あれっ?」となるかもしれません。
しかし、①の計算にあるように格安SIMに乗り換えて安くなった分を端末の残債に充てることができるという考えもできそうです。
③ MNP転出手数料
2021年の4月以降、ドコモ、au、ソフトバンクは無料となりました。
なお、楽天はそれより前から無料です。
④ SIMロック解除手数料
キャリア購入のスマホを格安SIMでも使う場合、SIMロック解除が必要な場合があります。
必ず格安SIMのWebサイトにある動作確認済端末一覧で確認しましょう。
なお、以下の場合は購入時点からSIMロックがかかっていないので解除不要となります。
・ドコモ … 2021/8/27以降購入の機種
・ソフトバンク … 2021/5/12以降購入の機種
手持ちの機種にSIMロックがかかっているかどうかの確認はキャリアのWebサイトから確認できます。
SIMロック解除が必要な場合、Webサイトから手続きだと手数料は無料となります。
しかし、電話や店舗で手続きを行う場合は手数料が発生します。
5. 電話番号、メールアドレスが変更となる場合、変更後の連絡や手続きが必要
電話番号やメールアドレスは主要な連絡先となりやすいです。
そのため、家族・友人、会社や自治体・登録しているサービスなどに変更の連絡や手続きが必要となります。
これはやはり手間がかかります。
この手間を少しでも解消するには、電話番号は乗り換え(MNP)しかありません。
メールアドレスはキャリアメール以外(Gmailなど)を利用していれば基本的に変更は不要となります。
05. 【 STEP1 】格安SIMって何?【メリット・デメリットなど基礎知識を知ろう】のまとめ
本記事のまとめ
- 格安SIMはキャリアの通信回線を借りて利用料を安く提供するサービスのSIM
- プランは「高速データ通信、SMS、通話」の組み合わせ
- おすすめな人は「とにかく安くしたい人、そこそこ使えて安い方がいい人」
- 料金プランが豊富で安く、契約期間の縛りが短いメリット
- 通信速度が遅く、キャリアメールに月額がかかるなどのデメリット
- 契約中の回線解約は費用が必要な場合がある
- 今のスマホを使うなら動作確認済端末一覧は要チェック
以上、「【 STEP1 】格安SIMって何?【メリット・デメリットなど基礎知識を知ろう】」でした。
格安SIMは安く使えるメリットがあれば、通信速度が遅いなどデメリットがあります。
しかし、そのデメリットも自分のスマホの使い方を振り返ればあまり影響がない場合があります。
格安SIMの利用を考えている人は、節約したお金を他のことに使いたいという目的があると思います。
スマホ回線は毎月かかる固定費に近いので、節約効果がその後も続きます。
例えば毎月1,000円節約すれば、1年で12,000円、5年で6万円、10年で12万円にもなります。
初めてのことはややこしい印象が先行しがちと思います。
しかし、STEPを踏んでいけば進めることができます。
自分の目的のために一時がんばってみてください。
かへおれ(@caheoreblog)でした。
あわせて読みたい
この記事に直接きた人はこちらもどうぞ。
格安SIMの始め方(乗り換え方)を5STEPで解説しています。